我は知を探求する者なり!(15)

ここまで長大なる思考実験を繰り返し、都度、傍証を固めてきた。これによりワンクリック詐欺の全体的な構図が見えてきた。いま一度、暗号に立ち返ろう。そもそもKとR=sqrt(2) 何故ここだけ一続きの数字なのか?


KRでsqrt(2)。ひょっとすると、“SquareRoot”のquの音をK,RootのRをとって、KR=sqrtという連想なのだろうか?これはILOVEHACKRの文字と数字の語呂との関連を読みとけというサインではないのか?


だとすれば、Iを「愛」とみたてて、Iの係数を「6741(むなしい)」と洒落こまなかったのは何故か?なぜ、I=「愛」が5963(ゴクローサン)なのか?


わからない。そこに謎があると言わねばならない。


やはり、「5963(ゴクローサン!)」と、解読した者を嘲笑するためなのか?


ここまでの考察からして、その可能性は極めて低いと言える。


ひょっとして、ILOVEHACKRの文字と語呂合わせとは関係ないのか?


そんなことはないだろう。H(えっち)=50811(これはイイ)となっていることからも、無縁ではないはずだ。ひょっとして、ILOVEHACKRの文字と語呂はひと続きなのか?


(゜Д゜)!それだ!



I5963 : あい、ごくろーさん
L42731: L、死になさい (death noteネタか?)
O5050 : おー、これこれ(?) / マル、GoGo!(?)
V1919 : V、イクイク
E0721 : イイ、オナニー
H50811: えっち、これはイイ
A6741 : あー、むなしい
C156 : ちんころ(?) / クラックいちころ(?)
KR141421356 : KR→sqrt

一部、意味不明なところもあるが、いままで見えていなかった文字が次々に浮かび上がってきた。最初、私はMathematicaで表示されたベクトルの最初の要素に5963という係数を発見したとき、この暗号を解いたものを嘲り笑うために仕掛けられたものだと思った。しかし、それは全く違っていた。I5963は、「あい、ごくろーさん」と、この暗号の真の意味に到達した者を本当にねぎらってくれているように私には感じられた。


そして業者がわざと長く冗長なる暗号を用いた理由がなんとなく理解できるような気がした。この暗号を策定したアーキテクトは、自らのリスクを犯しながら、非常に類稀なるコミュニケーションの在り方を希求していた。「I LOVE HACKER―――私は知を探求する者を愛する」という言葉に嘘偽りはなかったのだ!


そのあと、私は、さらにこのストーリーの核心へと近づいていくことになるのだが、残念ながらいまはまだその全貌を書けない。いまの私に言えることは、私がここまでに書いてきた推測はすべて正鵠を射ていた(ことごとく当たっていた!)ということだけだ。いずれ書ける時期が来たら書こうと思うので、いったん、この話はここで終わっておく。


「I LOVE HACKER―――私は知を探求する者を愛する」


そして、私は、知を探求する者なのだ!(完)