マスメディアの影響


このblogでは、あまり思想的なことは書かないつもりだったのだけど(私の思想や歴史観は世間の人とはずいぶんズレているので一昨日の日記のように反感を買うことは目に見えている)、最近、ちょっと我慢ならないのでささっと書きたい。私としては、同意してもらうよりは、どちらかと言えば反対意見をもらえたほうがありがたい。


いま私が一番気になっているのは北朝鮮による拉致問題だ。どう考えても日本の態度はおかしい。北朝鮮側の差し出した遺骨をDNA鑑定して、偽物だったから北朝鮮経済制裁をしようというのが骨子なのだが、DNA鑑定をするために遺骨をいったん日本に持ち帰っている。DNA鑑定をするにしても遺骨だから灰になっているわけで、こういう鑑定は一般的に言って難しいはずだ。日本人は日本の鑑定技術は世界一だと思っているかも知れないけど、O157騒ぎのときには何の罪もないカイワレ大根O157の原因だと誤って判定した程度の鑑定技術しか持ち合わせていない。そんなものは、はなから信用ならない。


まあ、仮に日本のDNAの鑑定結果が正しかったとしても、だから経済制裁をするというのはおかしい理屈だ。遺骨が偽物だと主張したいなら、日本は自国に持ち帰って鑑定するべきでなかった。日本に持ち帰ってしまった時点で真実は闇へ葬りさられる。最初から第三者機関(日本以外の第三国)に委ねるべきだった。


言ってみれば、日本は、スーパーで買い物をしてきて、家に帰ってお釣りとして渡されたお金を見たら偽札だったのでスーパーに文句を言いに行ったけど店員に認めてもらえなかったので、スーパーに火をつけるぞ!と脅しているようなものだ。偽札だと主張したいなら、お金を渡されたときに指摘するべきだ。それをいったん自分のふところに納めた時点で、事実関係は隠匿されてしまう。いまさら遺骨を第三者機関に持って行って鑑定してもらったところで、それは“ふところのなか”で摩り替えられたものかも知れない。


日本の報道は、あまりに客観性を欠いている。北朝鮮に無理やりでも敵意を植えつけたいという意図がミエミエだ。そして、いまの日本では私のような考え方をしているのはごく少数派だ。大多数は、マスコミの報道を何の疑問も持たないままそのまま受け入れている。私にはどうにもそれが信じられない。