e-maのど飴(3)

e-maのど飴の味が変容してしまったことは、私にとって大事件だった。袋を開けたときに消毒薬っぽい匂いがするのにも気になっていた。もし私が生まれて初めて食べたe-maのど飴がこの程度のシロモノならば、私はこれほどe-maのど飴に入れ込んではいなかっただろう。


e-maのど飴の変容は、私のなかでは「失われた秘宝e-maのど飴」事件として2.26事件、5.15事件と同系列の意味合いを持つほどに肥大化していた。少なくとも自分のなかでは国宝級の文化遺産である金閣寺の焼失より大きな意義を持っていた。


受け入れがたい変わり果てたe-maのど飴を見ると、とてもやるせない気がした。このe-maのど飴を未来永劫食べ続けなくてはならないのかと思うと身震いがした。生涯の伴侶が、不具*1になってしまったのと同じほどに。(つづく)

*1:この用法で使うのは差別用語か..。