やねうらお空白の10年間(1)

あまりに充実していた私の小学校生活(学校はかなり休んでたけど)の話と、いまの私の仕事ぶりを見て、「子供のころから20数年間、一心不乱でプログラミングをやってきた人」と思われるのも無理らしからぬことだが、内実はそうではない。


実のところ、中学に入ってから私は変わった。


小学校のときに神童と呼ばれたような子が、中学に入ってから落ちぶれていくことはよくあることで、私も多分に漏れず、中学に入ってからは普通の中学生になった。「頭角を現す」という言葉があるが、私の場合、まわりに歩調を合わせ「頭角をひっこめた」のである。


それは、あれ以上いじめられるのが嫌だったということも根底にある。小学校のときは給食をクラスで必ず一番早くに食べ終わっていたのに、なぜか中学に入ってから(お弁当)は、一番遅くに食べ終わるぐらいのペースになった。私はわざと、どんくさく生活することを覚え始めたのだ。(つづく)