みっつ目は自分は呪われたプログラマであるということ(19)
「ひゃ、、ひゃくまんえんで」 金銭感覚のない子供だから値段は適当だ。
「百万ですか..それはちょっと高いですなー」
「じ、、じゃあ、、、じゅ、、じゅうまんえんで!」 さすがに百万から十万というのは適当すぎた。子供のいたずらだと思われたのか(いまにして思えばいたずらだと言えなくもないのだが)、やんわりと断られてしまった。
なんとなく感触がつかめた私は、他のソフトハウスにも片っ端から電話してみることにした。値段は「じゅうまんえん」に値下げして。
いくつかの失敗ののち、あるソフトハウスの社長が「じゅうまんえん」でokしてくれた。家から12駅ほど離れたところにある会社で、電車賃すら持っていない私は自転車で往復3時間かけて通い、学校にも行かず来る日も来る日もフロッピーディスクに穴を空け続け、10日目にしてついに念願の「じゅうまんえん」を手にすることが出来たのだ。
そしていよいよ復讐の時が来た。その「じゅうまんえん」を持って爆竹を買いに行ったのだ。(つづく)