いまどきのアセンブラプログラミング(3)

別に、「いまどきのアセンブラプログラミング」に限った話ではないが、いまは技術書ブームだと言われている。書店に行けば技術書があふれ返っている。猫も杓子も本が書ける。書かせてもらえる。もちろん、やねうらおも、その猫とか杓子とかに相当するわけである。入門書がどんどん出て、音楽CDのようにいっときのブームだけでどんどん書店から消えてなくなってしまう。どう考えても消費が早すぎるのだ。誰が業界をこんな体質にしてしまったのかは知らないが、少なくともこんなハイペースで消費し続けなければならない現代は、もう相当に病んでいるのではないかと思う。


いずれは技術書がほとんど売れない時代が来るだろう。いまですらまともな現場の技術者は、本なんか書かない。本なんか書くより、仕事をしているほうがよほど儲かるからだ。(雑誌で連載を抱えている人とかWebで有名な人は別だろうけど。) 結果、技術本を書いているのは(翻訳本を除けば)素人ばかりで、出版される本も新しいジャンルに対するハウツー本が圧倒的に多い。別に私はハウツー本を否定するわけではない。時間の限られた現代人にとって、仮にインターネットを探しまわれば情報を収集できるとしても、その時間を節約できるならば買うに値することだってあると思う。しかし、ハウツー本というのは消費期限のようなものがあるので、結果として、そのことが出版サイクルを加速させる要因ともなっている。(つづく)