ミラクル将棋勉強法

せっかく将棋盤を描けるようになったので、一度だけ将棋のことをほえてみる。ほえてみるぞー!!


将棋は強くなるには、序盤の定跡を覚えたり、形勢判断の仕方を覚えたり、詰将棋や必死問題を解いて詰み筋を理解したり、脳内(頭の中)で棋譜を高速に再現することで脳内将棋盤を形成したり..まあ、そういうなのだと思われているが、一番大事なことを忘れていると思う。


実は、私自身、大学のころに一時期、将棋にハマって、すぐにアマ初段ぐらいになったのだが、そこからずいぶん伸び悩んだ。やっぱり才能の差なのかとか思ったこともあったが、ある日、ふとしたことに気づいた。それをきっかけにわずか数ヶ月でアマ五段の棋力にまで達した。


あまり時間がないので今回は、駆け足でそのことを説明したい。さっそく図を見ていただこう。これは私が作った問題だが、単純な形なので探せばあると思う。


先手玉には詰めろがかかっている。有名な必死形に似ているが21の桂が居ないので実はこの詰めろを逃れて1手稼ぐことが出来る。まあ有段者ならば時間さえあれば正解を発見できるだろうが、ここでの目的は、試行錯誤に頼らずこれを10秒以内に発見することにある。















































言うまでも詰み筋は、a)23銀成21玉32馬と、b)31馬12玉21銀の二種類である。この二つを逃れるためには、これを防ぐように駒を利かす必要がある。


どこに利かせばいいかが問題だ。敵の現在駒の置いてある場所に利かしても意味がない。なぜなら、1手で駒を置いて置いた駒で敵の駒を取ることは出来ないからだ。よって、敵の駒の移動経路に利かすことしか意味がない。


敵の移動経路はa)23 or 32の地点。b)31 or 21の地点である。a)とb)の両方の詰み筋を防がなければならないので、有効な組み合わせは、次の2×2=4通りになる。

1)23と31(適合する駒なし)
2)23と21(12銀,12角だが、31馬のとき12に逃げられなくなるので不可)
3)32と31(21金だが、23銀成のときに21に逃げられなくなるので不可)
4)32と21(43角)

ということで、43角が正解だ。43角に同銀 or 同銀成は詰めろではなくなっていることを確認して欲しい。


今回、問題を『「23 or 32」 and 「31 or 21」』を満たすような駒を探すことに還元できた。このように終盤の凌ぎ問題の大半は、andとor条件で指定された地点への利きのある駒を探す問題に還元できるのだ。そして、詳しく書かないが、この駒探しにはコツのようなものがたくさんある。局面をいくつかのパターンに分類することで、解を一瞬で見つけることが出来るのだ。この一連の発見をしてから、将棋がずいぶん楽しくなって、メキメキ強くなったのを覚えている。


そんなわけで、こんな切り口の将棋の入門書を誰か出してくれないかなぁ..。*1

*1:野崎昭弘氏の「ロジカルな将棋入門」筑摩書房1990年は、数学好きの将棋好きには悪くはない本だが、やや物足りないか。