世界ナンバーワンが語る「源平大戦絵巻はクソゲー」


6月2日にセガiPhone/iPad向けに「源平大戦絵巻」という本格的なTD(Tower Defense)型カードゲームをリリースして、これが超面白いといろんなブログで絶賛されています。ビッグタイトルなので、もうプレイされた方も多いのではないかと思います。



iTunes用リンク →



*1



いやいや、Seasonsさん。あたしゃ、こんなクソゲー、まともに攻略する気は全くしないですよ!こんなクソゲー、全く攻略にも値しないんですよ!いまから、このゲームが何故クソゲーなのか、簡単に説明しますね!



ああ、ゲームシステムすらきちんと理解してないのにクソゲーとか言う人が、よく居ますけど、私はそういうのとは全く違いますからね!





上の画像は私のこのゲームのプレイ中の画面です。このスコアは、現時点(2011/06/04 10:00)で、Game Centerのランキングにおいて、エンドレスモードで1位です。*2 つまり例によって世界一位ですね。



と、さりげに自慢したところで(←ぜんぜんさりげじゃない?)、本題。




このゲーム、序盤は実に面白いんですよ。カードの枚数が有限(デッキ上のものだけ)なのでTD型のゲームなのに、TDっぽさが無い。


しかもカードが60種類以上もあるので*3、手持ちのカードをどう組み合わせて最大の効率を出そうだとかそういうのを考えるのはとても楽しい。RPGでスキルビルド(どのステータスに何ポイント振るかなど)を考えるのが楽しいのと同じですね。


ゲームバランスも最初のほうは非常によく出来ていて、課金無しなら、かなりいいバランスに調整されています。手持ちの弱いカードを組み合わせて、最大の効率が出るようにするのとか萌えますね。かなり中毒性の高いゲームでしょう。


また、同種カードはセルにスタック(積み重ねる)することで5段階まで戦力が強化されます。また、スタックするときに体力が回復されます。ゆえに、同種のカードが欲しくなりますね。これが手持ちのカードを誰かとトレードしたくなるための重要な動機となっています。このへんもうまいですね。


このゲームをやって私が気づいたのは遊戯王のようなトレーディングカードは、あれは(ボードゲームの攻略という観点からは)製造されている全てのカードのなかから最も効果的なカードの組み合わせを考えて終了かと思っていたのですが、実際はそんな欲しいカードが手に入るわけでもなく、手持ちの弱いカードを弱いカードなりにうまく組み合わせて最も効果的な組み合わせを考えるところに楽しみがあるんですね。だから、新しいカードが手に入るごとにどうやれば最も効果的かを考えるという“遊び”が出来るところが魅力なのでしょう。


まあ、この源平大戦絵巻には、そういうトレーディングカード集めの醍醐味、つまり、カードをすべて集めきれないからこそ、弱いカード同士いろいろな組み合わせを考える楽しさがあると思うんです。



ところが、ですね。このゲーム、敗戦した場合にもアイテムがもらえるんですよね。それも課金アイテム並の。ここがまずおかしいんですが、そんなのでアイテムがもらえるんなら、ゲーム開始ボタンを押す→放置→アイテムもらうのループをしますよね、誰だって。最もいいアイテムがもらえるStage20(壇ノ浦)のLv.5で誰もがそんな作業を何時間もするはずです。どう見ても作業です。


何故こんなゲームシステムにしてしまったのか、本当に悔やまれます。


※ ただし敗戦マラソンではレアカードは出ないそうです。公式twitterからコメントもらいました。


ついでにダミーのiPhoneを別に用意して、トレード後にiPhoneの復元をすればカードのクローン&増殖ができるようです。[私は未確認]


カードに一意なIDを振ってトレードはサーバー側でカードを管理するか、サーバーと通信しないにせよせめてカード出現時に128bitぐらいの乱数IDでも振っておけば、1台のiPhone/iPad上に同一のIDを持つカードが複数あるのはチェック出来るのになぁ…。こんなことは、PCゲームの『Wizardry』(1981年)の時代でも常識だったのに…。*4


それぐらいの対策はやって欲しかった。
なんかそのへん、プログラム的にもとても残念な感じです。


それで、このゲーム、ある程度いいカードが集まるとゲームバランスが即座に崩壊します。考える要素が全くありません。


この部分を少し詳しく書きます。


通常モードは攻略なんか考えなくてもある程度カードさえよければ簡単に攻略できるので(カードが足りないなら開始速攻で敗戦してカードを増やすのを繰り返す敗戦マラソンを繰り返せばいい。)通常モードは全部クリアできているとして、エンドレスモードのみに話を絞りましょう。


まず、エンドレスモードでは敵の強さが一定以上には強くならないのです。


これはTD型ゲームとしてはあるまじきことですね。ゲームデザインをした人は、「デッキは有限だから、いずれ消耗してゲームが終了する」ぐらいに思っているのかも知れませんが、そんなことはありません。


まず、回復系のカードがあります。回復系のカードをうまく使えばそれだけで永パ(永久パターン)完成です。ダメージを食らった分だけ回復できればエンドレスに遊べますよね。


次に、柵を作るカード(逆茂木大工)があります。柵を作ると、そこから1つ以上左のセルでは敵の攻撃が届かないため、柵が壊れない限り実質的にノーダメージで倒せます。柵が壊れるごとに補修するのを繰り返せばほぼノーダメージでゲームを進行できます。これだけでもほぼ永パです。回復系と組み合わせれば永パ完成です。


あと、HPが少しずつですが、自動回復するキャラがあります。これを前衛に配置しておき、後方に遠投ユニット(たくさんありすぎて困る)を配置しておけばそれだけでも永パです。


本当、永パ、永パ、永パと、永パのオンパレードです。こんなひどい仕様になっていることに作っている段階で気付かなかったのか、ゲームデザイナーの頭は大丈夫なのかと本気で疑ってしまいます。


あと極めつけは、ドローしたカードを定期的にデッキに還元してくれる効果を持つカードの「命旨侍(りょうじさぶらい)」です。これは5波(5 waves)ぐらいごとにドローしたカードをデッキに1枚還元してくれます。


5波だと、通常ステージ(10波)だと2回ぐらいしか還元されませんが、エンドレスモードでは波がエンドレスですから事情が違います。しかも、このカードの効果により、このカード自体をもう一枚引いてくることもあるわけです。Lv.5までスタックさせれば2waveごとぐらいに1枚追加。これを何体か配置すれば凄い勢いでカードが増えます。すぐにフィールド上のユニットはすべてLv.5になります。


Lv.5になると遠投ユニットなどは非常に強いので敵を寄せ付けません。HPを自己回復するキャラを前衛にしておけばそのまま放置しておいても敵が攻め込めません。俗に言う放置永パです。私のハイスコアの記録は1時間ほどかけてこの状態に持って行ったあと一晩寝かせておいたのです。


私がやっていたのはStage1のエンドレスモードです。Stage2〜20についてもそれぞれで放置永パが出来るかどうかはわかりません。


強い遠投ユニット(「導師」が強いらしい。私はこのカードは持っていない)を配置してそれで最初の50波ぐらいが乗り切れれば、あとはなんとかなるのかも知れませんが、そのへんはチャレンジングな課題でしょう。やってみると面白いかも知れませんね。


ただ、カードのクローン技を使っていいのであれば、「導師」と「命旨侍」を何枚かクローンして、あとは回復系か遠投系のカードを一枚あればそれでどのステージも放置永パが出来る気がします。スタート直後に「導師」×3でないと火力が足りないようであれば、リスタートを繰り返して、最初の手札が「導師」×3になるようにすればいいですし。


あと、配置したユニットが消せないので移動のできないユニットだけで放置永パを完成させてしまうと、そのあとゲームが終われなくてハイスコアのコミットすら出来ないという状態になって困ります。そのへん事前に考えておかないといけません。


とまあ、ゲームデザイナーの意図とは全く別の遊び方をしているような気がしますが、私は攻略らしき攻略を考えずに放置永パだけで世界一位になれたので、そんなわけでこれはクソゲーだと認定します。せめて攻略をもっとあれやこれやと考える楽しみが欲しかった…。


でもゲームのシステム自体はすごく目新しいですし、無課金であれば通常ステージの100ステージは十分楽しめると思うので、iPhone/iPadを持っている人は是非やってみてください。


私はこのゲーム、早送りが無くてしんどいので、エンドレスモードの残りのステージすべて世界一位に!とかはやりませんが…。(そもそもこの記事のように情報を公開すれば誰でも放置永パ出来るようになって、あとは何日放置できるかというただの消耗戦になりますので…。)


しかし、早送りがないのは、敗戦したときの時間的なロスを大きくすることで、「こんなに時間をロスするなら敗戦したくない」と思わせて、アドオンのカードを買わせる戦略なのかも知れませんね。


だとしたら、成功してますよ、それは。


■ おまけ


銭は999でカンストですが、波は999を超えても終わらなかったので本当にエンドレスか…。私は1024波を超えたので全軍突撃して前衛を撤去。



なんか壮絶です。



前衛さえいなければ放置しておけば柵を少しずつ食い破られているのでそのうち終わるでしょう…。(あと10時間か20時間ぐらいかかるかも) しかし終わり方をもう少し考えておくべきでした。あまりに時間がかかるようであれば、もしかしたら点数をコミットせずにやめるかも…。


→ 追記(2011/06/04 23:30)


Stage 1のエンドレス、あとちょっとでゲームオーバーに出来そうなところまで行って、友達が来たのでホームボタンで戻ってjubeatして、また「源平大戦絵巻」を立ち上げたらタイトル画面に…。え?どうしてこうなった。俺涙目…。


→ 追記(2011/06/06 6:30)


Stage 1のエンドレス、やりなおして、1位になっといた。


■ 追記(2011/06/04)


「源平大戦絵巻」の公式twitterアカウントからコメントをもらいました。


*5


では、ステージ2以降のエンドレスモードも遊んでみますね。あと敗戦マラソンでレアカードは出ないのですか…。(出現するカードまで確認してなかったので、いい加減なこと書いて、すみません。本文修正しました。)

*1:https://twitter.com/#!/Seasons/status/75979139533897729

*2:現時点(2011/06/04 10:00)ではゲームは進行中なので点数のコミットはしてません。

*3:カードの効果一覧 → http://emaki.sega.jp/jp/pc/catalog/

*4:初代『Wizardry』はセーブDiskコピーをしてお金の移動をすることでお金を倍々に増やせた。シナリオ2以降、対策された。[要出典]

*5:https://twitter.com/#!/J_Bonze/status/76896133112279040