何故私は計算が小学校で一番速かったのか?


小学校のころ、私は四則演算が学校で一番速く出来た。そんな私だが、実は九九はほとんど覚えていなかった。
掛け算や割り算を速く行なうのに必要なのは九九じゃないことを私は知っていたからだ。


簡単な例を出そう。あなたは、40÷6をどうやって計算するだろうか? 九九を持ち出してきて、「6×8 = 48 あれ、大きすぎたか。6×7 = 42、ありゃ、まだ大きいか。6×6 = 36。おお、40より小さくなった。40-36 = 4だから、6余り4が答え!」なんてやらないだろうか。これは凄く無駄な作業だ。どう考えてもやり方がおかしい。


ここで必要なのは、九九ではなく、36〜41は、6で割ったら商は6という知識である。「余り」もセットにして覚えてあるとなお良い。


「÷6」をするとき、割られる数が60以上であることは考えなくて良い。また、もう少し一般化して言えば、「÷N」するときは、割られる数がN*10以上であることは考えなくて良い。


だから、これをすべて覚えていけばいいのだ。


1÷6 = 0余り1
 …
36÷6 = 6余り0
37÷6 = 6余り1
38÷6 = 6余り2
39÷6 = 6余り3
40÷6 = 6余り4
41÷6 = 6余り5
42÷6 = 7余り0
  …
59÷6 = 9余り5


まで。これを÷6だけではなく、÷1〜÷9も暗記する。ただ、すべてを暗記していなくとも、その付近を覚えていれば、それだけでも何とかなる。また実際は、÷1なんて覚える必要はないし、あまり使わないところや前後から簡単に割り出せるところは覚えない。


この表を覚えると、数に対して普通の人とは異なる独特のインスピレーションが働くようになる。例えば、40という数字を見ただけで、「40は、2,4,5と8で割り切れて、5×8で構成された、6で割れば4余り、7で割れば5余り、9で割れば4余る数だ」ということが瞬時にわかるようになる。(この経験は、中学になって「誰よりも速く素因数分解が出来る」に繋がっていくのだが、それはまたの機会に)


それぞれの数に対して、独特の思い入れが出来る。だから、数字や電話番号の暗記には事欠かなかった。まあ、「僕はドルアーガで頭がおかしくなった」(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090108)のには、こういう下地があったからかも知れない。


ともかく、私は九九はほとんど覚えていなかったが、5×8と言われたら、5でも8でも割って余りが0になる数を頭のなかで探して、それが40であることは瞬時にわかった。九九で「7*9=63」を言い間違えて「7*9=53」のように計算を間違える人が多いが、私は、そういう間違いをした経験はほとんど無かった。


上のような表を覚えることを小学校で強制したら、それこそ詰め込み式の教育だと批判されるだろうけど、脳は使えば使うほど活性化するのだし、覚えれば覚えるほどさらにたくさんの情報を覚えられるようになる。それはゆとり教育による学力低下を見てもわかるだろう。


私立の進学校の小学校では、漢文を丸暗記させたりする。ああいうのは凄く脳にとっていいと思うんだけど、公立の学校で同じことをやったら子供の親が「そんなことやらせて何になるんですか」とか学校に怒鳴り込みに来るんだろうなぁ…。



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【追記】
kohekoさんからトラックバックいただきました。Excelで表を作成されたようでよく出来ているので、以下に掲載しておきます。