マインドストームNXTで作る自動ページめくりブックスキャナ(18)

yaneurao2008-02-17


今日の写真は、新しく開発したページめくり部である。ギアを並べてあって、軸がスライドしてもギアと噛みあい続けるようになっている。軸のスライドと軸の回転とを下部に取り付けてある2本の軸から制御できるようになっている。これを3つ×2組作ればページをうまくめくれると思っていた。


だがそう簡単ではなかった。


そもそもこの形に至るまでに一度、(断面図が十字の)軸とジョイントで同じ機構のものを作ったのだが、本が自然に閉じようとする力に対してそれを閉じないようにと抗おうとするほどの力をギアで伝達しようとすると軸がしなってギアが噛み合わなくなるのだった。


強度を持たせるためにはビームで構成するしかない。ビームは確かに十分な強度を持っているのだが、ブロックを嵌め合わせていくので、やはり力が加わるとブロックが抜けるのである。今度はブロックが抜けないようにするための工夫が必要になってくる。


ギア同士は以前も書いたようにRが中途半端なので正しく噛み合わせるだけでも結構苦労するのだが、ギアの噛み合わせが甘いと力がかかったときにその部分でも空回りする。そこで噛み合わせは少しタイトに設計しないといけない。この条件を満たしつつ、ブロックが抜けないように工夫しないといけない。おまけに、それぞれのパーツを十分の数だけ持っているわけではないのでたくさん持っているパーツで代用しながら設計しなくてはならない。これはとても難しい。

レゴで作るピストル


レゴで作られたピストル/ショットガンなどの動画を集めてみた。
お手軽に作れるわりには遊べるせいか、たくさんの作品が作られている。
ここでは代表的なものだけ紹介する。




AUTOMATIC LEGO CROSSBOW PISTOL
レゴで作ったブロックが飛ばせるピストル。かっこいい!





Fully Automatic LEGO Gun
こっちのピストルはオートマチックで連射可能。





Lego Machine Gun
こちらは小さなブロックを自動的に連射するマシンガン。





ULTIMATE Lego Rubberband Gun
こちらはゴムを飛ばすのだが、凄いスピードで連射している。





Automatic LEGO gun
これまた手が込んでいる。





lego gun
こちらは手巻き式で輪ゴムを飛ばす。

Vernier


NXT用のセンサーがたくさん売られているサイトを見つけた。


Vernier
http://engineering.vernier.com/


たとえばUVセンサーを使ったプロジェクト(動画あり)
http://engineering.vernier.com/general/projects/uv


・NXTで使うためにはNXT用のセンサーアダプタをまず購入する必要がある。
・元の設定価格が全体的に割高である。
・international orderを受けつけてくれる(日本から買える)が、さらに割高である。
・以下のセンサーが売られている。


25-g Accelerometer
Barometer
Charge Sensor
Colorimeter
Conductivity Probe
Current Probe
Differential Voltage Probe
Dissolved Oxygen Probe
Dual-Range Force Sensor
Electrode Amplifier
Extra-Long Temperature Probe
Flow Rate Sensor
Force Plate
Gas Pressure Sensor
Hand Dynamometer
Instrumentation Amplifier
Light Sensor
Low-g Accelerometer
Magnetic Field Sensor
O2 Gas Sensor
ORP Sensor
pH Sensor
Relative Humidity Sensor
Salinity Sensor
Soil Moisture Sensor
Sound Level Meter
Stainless Steel Temperature Probe
Surface Temperature Sensor
Thermocouple
Turbidity Sensor
UVA Sensor
UVB Sensor

テクニックブルドーザ買ってきた

yaneurao2008-02-14



昨日の日記で、自分でお勧めしたので自分で買ってきた。自作自演である。(意味が違う?)


テクニックブルドーザには、POWER FUNCTIONモータが4つ入っている。2セット買ったので8個手に入った。mindsensorsで売られているRCX to NXT Communication Adapter(NRLink-Nx)を使えばNXT 1台からこの8個のPOWER FUNCTIONモータが入力ポートひとつを犠牲にするだけで制御できる。


私はNXTを3台買ってしまったので、3個×3台 + 8個 = 17個のモーターが手に入った。これでかなり複雑な制御を要する作品でも作れそうである。


ところで、POWER FUNCTIONモータ自体は9V系である。mindsensorsで売られているMotor Multiplexer for NXT (MTRMX-Nx)も使えるのである。ただし、ケーブルを自作しないといけない。8つも自作するのは面倒だし、部品の調達も困難だ。(いま持っているケーブルを切断していいなら簡単だが…)


NRLink-NxとMTRMX-Nxではモーターの回転スピードのコントロールは出来ない。POWER FUNCTIONの赤外線プロトコルを見るとどうもスピードのパラメータ自体、送信機から送信されていないようである。*1


スピードをコントロールする必要がないところにPOWER FUNCTIONモータを使い、赤外線(NRLink-Nx)でコントロールするのがケーブルが不要で一番楽だろう。


また、どうせケーブルを自作しないといけないなら、同じくmindsensorsで売られている8-channel Servo Controller (I2C-SC8)(これはI2Cで接続するサーボをコントロールするためのキット)を使ってPOWER FUNCTIONではなく市販のサーボを使ってみたくなるのだが、レゴの部品とうまく組み合わせるのが難しくなる。


結局のところ、POWER FUNCTIONの小型モーターにこだわりがなければ(単にモーターをたくさん制御したいだけならば)、デジラでNXT用のサーボモータを追加で買って、mindsensorかhitechnicがモータのマルチプレクサ販売してくれるのを待つのが一番賢かったりして。

*1:An Infra-Red Link Using an AVR
http://www.tau.ac.il/~stoledo/lego/AVR-ir/

レゴのテクニックパーツが欲しくなったら

yaneurao2008-02-13



部品単位で購入したいなら日本ではデジラしかない。


ホビーショップ・デジラ
http://www.dgla.jp/


海外では、BrickLinkという多数の販売者が集う巨大マーケットサイトがある。特定の販売者からまとめ買いすれば送料が一回分で済むので多少は安くなる。


BrickLink
http://www.bricklink.com/


特定の部品が大量に欲しいわけではないのなら、テクニック系のセットを買って部品取りするほうが良いだろう。


テクニック系のセットは、最寄りのクリブリ(http://www.clickbrick.jp/)の店舗やトイザらスオンライン(http://www.toysrus.co.jp/)などで購入すると安い。購入前に次のサイトで、商品番号を入力して内容物を確認しておくと良いだろう。


Peeron LEGO Set Inventories
http://www.peeron.com/


値段を部品点数で割り算して、モーターなどの特殊部品が入っていないなら、1部品あたり10円ぐらいだと割安。15円ぐらいだと相場ぐらい。20円だとやや高いと思う。


もし、クリブリが近くにあって、セットから部品取りするなら、POWER FUNCTIONモーター(→ id:yaneurao:20080211)を部品取りするためにいまなら#8275のテクニックブルトーザーを購入するのがお勧め。クリブリ特価19,990円である。*1


NXT1台ではモーターが3つしか動かせないし、比較的NXTのモーターは大きいので、小ささが要求されるところではNXTからPOWER FUNCTIONモーターを動かしたくなるのである。そのときに備えて、このキットを購入しておくのがお勧め。


本日の写真は、クリブリで3万円分ほど買ってきたところ。このあと組み立てて遊ぶこともなく、そのまま部品取り―――読者の方におかれましては、レゴのテクニック系は非常に完成度が高いので、是非組み立てて遊んでいただきますよう、よろしくお願いします。


■ オンラインショップ


・ACTIVE ROBOTS
http://www.active-robots.com/products/platforms/index.shtml


上記のサイトでは、日本への発送を受けつけてくれるようだ。(教育用はUKの学校限定のようだ。) 試しにこのサイトで購入してみた。160£(英ポンド。いま、1£ ≒212円ぐらい)分買い物して配送料が50£。うむむ。送料も結構高いな。(商品が届いたらまたここに追記する。→届いた。id:yaneurao:20080220にてレポート。)


レゴの希少部品やレゴの教育用、Hitechnicのパーツなどいろいろ取り揃えている。



以下のサイトは日本からは取り寄せられないが、U.S.などに住んでいる人のためにいくつか追加しておく。


LEGO公式のショップ
http://shop.lego.com/ByTheme/


セットの販売。


LEGO Factory Pick-a-Brick
http://us.factory.lego.com/pab/


よく使う部品を部品単位で購入できる。あまり種類は多くない & 高い。


LEGO Education
http://www.legoeducation.com/store/?global=usa


希少部品がいろいろ売られている。

*1:クリブリはどうして通販をしないのだろうか。トイざらスとの兼ね合いがあるのだろうか。レゴの公式SHOPのほうからはなぜ日本に発送できないのだろうか。そのせいか、オークションでは、クリブリの販売価格以上の値段で商品が取引されることが多い。まあ、商品の転売だけで食っていけるほど日本でのレゴのマーケットは大きくないのであまり問題にもならないが、不思議な流通構造だと思う。

Lego pneumatics

yaneurao2008-02-12


レゴは普通、タイヤを回転させたりしようとするときはモーターを使う。しかし、空気圧で動かす方法がある。*1


A Primer on Lego Pneumatics
http://www.fifth-r.com/cssoh1/primer.htm


上のサイトにも説明があるが、空気圧部品の仕組みは単純である。


・ポンプ --- 自転車の空気入れのような形状と役割を果たす。ポンプを上下させて空気を送り込む。
・タンク --- 空気を蓄えておける。
・スイッチ --- 空気の流れを切り替えられる。
・シリンダ --- 空気圧によって直線的に動く。


レゴには、空気の流れの切り替えのための手動スイッチがあって、このスイッチは次の3つの状態をとる。


スイッチの状態
・レバーが右 --- この状態だと中央と右の穴とが結合される。左の穴はopen(空気が抜ける)である。
・レバーが中央 --- この状態だと3つの穴はどれとも結合されていない。
・レバーが左 --- この状態だと中央と左の穴とが結合される。右の穴はopenである。


ポンプの上下を機械化するのは(制御機能のない)モーターで十分である。スイッチ自体を手動ではなくNXTのモーターから制御している人も結構いる。次の例は、スイッチこそ手動で操作しているが、空気圧で動くロボットアームをレゴだけで作ってある超大作である。


Pneumatic Arm
http://www.philohome.com/pneumarm/pneumarm.htm


しかしレゴの空気圧キットはNXTから制御するにはちょっと荷が重い感も否めない。これはスイッチが3状態とることもその理由の一つ。またNXT一台につき3つまでしかスイッチが制御できないというポートの少なさも理由に挙げられる。それに加えて、部品自体も入手しにくい。これでは手軽にやってみようという気になれない。


Fischertechnik社(フィッシャーテクニック社。以下FTと短縮)もレゴのようなおもちゃを出していて、FTのPneumaticsキットをレゴに流用する人も多い。


Fischertechnik Pneumatics
http://www.fifth-r.com/cssoh1/ftpneu.htm


FTのPneumaticsキットでは、ソレノイドバルブ(電磁弁)がついていて、電気的に弁の開閉を制御できる。こちらのほうが空気圧に関してレゴより本格的である。


FTの空気圧ロボット組み立てキットは日本でも代理店から購入できる。*2


空気圧ロボットを使ってみよう
http://mobiquitous.com/device/pneumatic.html


上のサイトではFTの空気圧ロボット組み立てキットの動画が見られる。モーターでは実現しにくい空気圧特有の瞬発的な動きが大変印象深い。


空気圧での制御は位置決めが難しく、空気の配管がとても複雑になるのでたいていはモーターで実現したほうがスマートである。しかし、空気圧にはモーターにない魅力がたくさん詰まっているように思う。


■ 関連記事


Robotics Laboratory
http://robot.gmc.ulaval.ca/en/research/themes.html


空気圧で制御するロボットのための機構についてのノウハウが満載。

*1:Lego Pneumatic Pack #5218には空気圧駆動の実験をするための部品が一式そろっているのだが、現在入手困難で、定価の倍以上の値段で取引されている。レゴで空気圧関係の部品が欲しければ他のキットから部品取りするしかない。#8455のBackhoe Loaderからの部品取りでタンク以外は手に入るようだ。#8455は完成度も高く、(もし入手できるなら)お勧め。動画→http://www.youtube.com/watch?v=-D7K33GXMqI

*2:http://www.kknomoto.co.jp/fischer/catalog.htm
29,400円だが、これには制御するためのインターフェース等が必要。 空気圧ロボットフルキットのほうは60,900円。(←探せばもっと安いショップはある。) レゴで使うために部品だけバラ売りして欲しいと思うのだが…。

Power Function moters

yaneurao2008-02-11



NXT付属のモーターは高性能で角度センサーまで内蔵しているが、ちょっとした動きをさせるためにNXTを何台も使うのはあまり現実的ではないだろう。


レゴのセットの箱にはPOWER FUNCTIONSとロゴが書かれているものがある。これには、POWER FUNCTIONと呼ばれるNXTとは異なる小型の高トルクのモーターが付属している。


こいつをNXTから使えないのかと思い調べてみると、NXTからI2CでAVRと通信し、そこから赤外線を発信し、制御している人がいた。プロトコルも解析されているので応用が利きそうだ。


An Infra-Red Link Using an AVR
http://www.tau.ac.il/~stoledo/lego/AVR-ir/


HITECHNIC*1では、NXT IRLinkという製品を販売しており、こちらを使えば、NXTからPower FunctionモーターやRCX(旧製品)のモーターをIR経由で制御できるようだ。*2 NXTの入力ポートに接続して、IR 4チャンネル×2モーター = 8モーターを制御できる。NXTの3つの出力ポートとあわせると8 + 3 = 11のモーターを1台のNXTで制御できるようになる計算だ。だから、もし部品取りのためにtechnic系のセットを買うなら、Power Function モーター付属のセットをお勧めする。(いま入手するなら右の写真の#8275が、XLモーター2つ。Mサイズモーター2つ。IRレシーバー2つが入っていて、お得だと思う。トイザらスで予約受付中。2008年3月1日発売。24,999円。ちなみに私の家の近くにある八尾アリオのクリブリには19,990円で売ってるんだが…。これは先行販売なのか。)



■ 関連記事


Using the new Power Function motors with LEGO MINDSTORMS NXT
http://thenxtstep.blogspot.com/2007/09/using-new-power-function-motors-with.html
NXTにPower Functionモーターを接続して野外で走行。かっこいい!


NXT motor internals
http://www.philohome.com/nxtmotor/nxtmotor.htm
Power Functions presentation
http://www.philohome.com/pf/pf.htm


NXTのモーターの内部構造やNXTのモーターの特性、Power Functionモーターの特性、比較など詳しく書かれている。(Extreme NXT: Extending the LEGO MINDSTORMS NXT to the Next Level (Technology in Action)の著者のサイト。)


■ 追記


Power Functionの赤外線受信プロトコルの仕様が公開された。→id:yaneurao:20080218

*1:http://www.hitechnic.com/

*2:mindsensorsのNRLink-Nxのほうがやや安い。ただし基板むき出しなのが少し気になる。
http://www.mindsensors.com/index.php?module=pagemaster&PAGE_user_op=view_page&PAGE_id=59