shogi

双方連続王手の千日手は成立しない part4

前回のあと、私は「1手前の局面に戻せるか(1手前の局面が合法な局面か)」という視点で調べて、いくつかの定理をさらに証明できた。 そこで、続きを発表しようかと考えていたところに、均衡方向、ホットスポットという考え方を導入して証明をした人が現れた。…

最多双方連続王手

「将棋で連続逆王手は最高何回まで出来るのか?」(http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080605)のtrackbackで、「将棋ガイドブック」p176にもう少し長いのが載っているとのことだったので調べてきました。 ちなみにこの本、一見、タイトルからは将棋の超初心者…

双方連続王手の千日手は成立しない part3

昨日の続きで、追加で証明の終わった定理を書いておきます。これでずいぶん核心まで到達したのではないかと思うので、詰将棋作家の人たち、グラフ理論を研究してる人たち、最後の一歩をお願いします(´ω`)人

双方連続王手の千日手は成立しない part2

「双方連続王手の千日手は成立しない」(http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080604)を書いたあと、いくつかの強力な(?)定理を発見したので証明に取り組んでいる人の一助になればと思い、どれが役に立つかは知らないが、メモがてら証明の済んでいるものだけ書…

「双方連続王手の千日手は成立するか」に対する反響

「双方連続王手の千日手は成立するか」(http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080604)を詰将棋メモ(http://toybox.tea-nifty.com/)や、コンピュータ将棋協会blog(http://www.computer-shogi.org/blog/)などいくつかのサイトで取り上げていただきました。 やねう…

将棋で連続逆王手は最高何回まで出来るのか?

昨日のコメントで気になったので作ってみた。詰将棋的のように詰ませるために最善を尽くすのではなくて、双方が協力して何回まで連続逆王手が出来るかということのみ考える。 42と62の地点で交互に駒を成って行き、それを同飛ととり続ける。盤上の自駒がなく…

双方連続王手の千日手は成立しない

普通の指将棋、詰将棋において、双方連続王手の千日手は起こりえない。これは将棋指しの間でも余り知られていないが、(詰将棋作家には常識かも知れないが)そのように駒を配置するのが不可能だからだ。 これはさすがに誰かが証明をしているだろう、と思ったの…

将棋方程式を発見した!(12)

今回は、将棋で詰みのある局面をデータベース化することを考えてみる。 チェスは終盤に進むに従い、盤上の駒が減っていく。取った敵駒は使えないから、局面が収束して行く。この局面を分類してデータベース化しようという試みは古くからある。 Playing Chess…

ハチワンダイバー

昨日の放送でハチワンダイバーに出てきた局面が面白かったので解説しようと思ったら、プロの対局にあった局面だそうで、すでに詳しく解説している人がいたのでそちらを紹介。 ハチワン=081=オッパイと読んでしまう人のための『ハチワンダイバー 3巻』将…

羽生二冠が初の反則負け

先日、将棋の羽生二冠がプロ入りから23年目にして公式戦初の反則負けを喫した。ネット対局で時間切れ負けになってしまったのだ。 羽生二冠が68手目に持ち駒を打とうとしたところ、盤面が隠れるように対局と 無関係の画面が開き、それを消して指したが、…

将棋方程式を発見した!(11)

最近のトレンド(?)として、GA将!!!のように二駒の相対的な位置関係を評価しようとする試みがある。 普通、自玉と周辺の自駒(守り駒)、自玉と敵駒(敵の攻め駒)との関係を評価する。これは将棋は厚みを削り合うゲーム(→将棋方程式を発見した!(1) http://d.hat…

棚瀬定跡

プロ棋士の中川七段が先日のコンピュータ将棋大会のエキシビションでの棚瀬将棋-加藤戦と同型を採用し勝ったらしい。*1 あの将棋は通常の(流行の)相懸りの定跡形とはわずかに形が異なり(桂が跳ねている。古い定跡形?)、加藤さんはそれで受け間違えたようだ…

将棋方程式を発見した!(10)

今回は、何をどう評価するかについて書く。 局面の静的な評価で、駒得だけしか見ていないとしよう。 このとき「駒の価値」をどれだけ精密に評価してもそっぽのほうに銀を打ったり、と金の製造に勤しんだりするコンピュータ将棋が出来あがる。 「駒得」しか見…

棚瀬将棋のこと

昨日の激指と棚瀬将棋の対戦で、棚瀬将棋は持ち時間をサーバー側から返ってきたタイムではなくローカルパソコンのタイムで判定していたため、残り時間がサーバー側のタイムと異なり時間切れ負けになってしまった。 形勢は棚瀬将棋有利だっただけにもったいな…

第18回世界コンピュータ将棋選手権 中継

第18回世界コンピュータ将棋選手権 http://homepage.mac.com/junichi_takada/wcsc18/ 戦績などは上のサイトでリアルタイムに確認できる。対局が終了したものだけではなく対局中のものも棋譜も確認出来る。素晴らしい! コンピュータ将棋選手権ネット中継 htt…

将棋方程式を発見した!(9)

コンピュータ将棋で形勢を数値化して評価するときに大きな問題点がある。 まず、評価するときの単位がおかしいのである。Bonanzaで「+120」と出ていたとして、この数字の単位は何だろう? いま、手駒の価値を固定して評価しているとしよう。(普通、固定する…

ハチワンダイバー、ドラマ化

『ハチワンダイバー』と言う秋葉系のメイドさんが出てくる将棋のマンガがドラマ化された。放送は5月3日から。フジテレビ土曜23時のドラマ枠だ。 この枠はかつて『ライアーゲーム』、『ライフ』、『SP(エスピー)』、『ロス:タイム:ライフ』などを放送して…

第18回世界コンピュータ将棋選手権

ここのところ私が毎日コンピュータ将棋関連の日記(?)を書いているのは、もうすぐ第18回世界コンピュータ将棋選手権があるからだ。今年は2008年5月3日〜5日に開催される。 毎年、大会前後は世間の関心が高い。特に今年は、トップアマに平手で勝てるかどうか…

将棋方程式を発見した!(8)

昨日のエントリのコメントで小宮さんから以下のコメントをいただいた。 進歩本のtacosの章に、持ち駒の数で王の脅威を調整する手法が書いてありますが、なかなか上手く行きません…… 「持ち駒が多いほうが王は詰みやすいのか?」と言う一見単純に見える質問で…

将棋方程式を発見した!(7)

前回、コンピュータが局面の静的な評価を大きく誤る可能性が高い局面を「激しい局面」と定義した。その逆が「静かな局面」である。完全に静かな局面は、コンピュータが局面の静的な評価を100%誤らない局面である。そのような局面とは何か? 言うまでもなく「…

将棋方程式を発見した!(6)

今回は、局面の静止評価について考える。 静止評価とは、探索の終端ノードで局面の評価値を計算することである。 コンピュータ将棋でも、静止評価の手法と言うのは手探り状態が続いている。 コンピュータ将棋始まって以来、あまり大きな進歩を遂げていない部…

将棋方程式を発見した!(5)

以前、盤上の駒は手番によって持ち駒に変換出来るということを書いた。 今回は、陣形の差は手番に変換できるということを説明する。 将棋の格言には「二枚替えなら歩ともせよ」などと言うとんでもない格言があって、しばしば初心者を困惑させる。私が将棋の…

コンピュータ将棋制作のススメ

コンピュータ将棋プログラムの規模自体はそんなに大きくはない。 超基本的な探索だけで、探索速度とか遅くとも良いなら、プログラム自体は、1日あれば十分書ける。 例えば、Micro-Maxというコンピュータチェスのプログラムがあるが、ソースはわずか1200文字…

日本コンピュータチェス協会(JCCA)について私が知っている100のこと(3)

馬場さんの話で思い出深いのは次の話だ。 「コンピュータはあと2,3年で、ムーアの法則通りに進歩しなくなる。そうなったときにコンピュータ将棋はハードウェア化するしかなくなる。僕は標準論理ICを組み合わせてコンピュータ将棋を作ることを考えている。」 …

日本コンピュータチェス協会(JCCA)について私が知っている100のこと(2)

私が馬場さんに最初に会ったのは、もうかれこれ15年以上昔のことだ。場所は、私の家の近く(八尾)の「からふね屋」である。八尾までわざわざ馬場さんが訪ねてきてくれた。 「マクドナルドか、ドムドムにしますか?」と尋ねたら、馬場さんがこっちがいいと言っ…

日本コンピュータチェス協会(JCCA)について私が知っている100のこと(1)

※ 例によってこの「100」というのは誇大広告で、テキトーな数字である。 私は日本コンピュータチェス協会(JCCA)の会長をしていた馬場隆信氏が5年ぐらい前に亡くなられたと風の噂で知った。 「日本コンピュータチェス協会」と言ってもたぶん知っている人を探…

コンピュータ将棋 wiki

私のチラシの裏として、コンピュータ将棋 wikiを用意した。 コンピュータ将棋 wiki http://shogi.yaneu.com/ コンピュータ将棋のwikiとしては、うさぴょん育ての親さん*1の運営するものが公式っぽくて、そちらでは初学者のためにコンテンツ自体を充実させて…

将棋方程式を発見した!(4)

今回は、将棋の形勢の数値化を別の角度から見ていく。 「局面を精緻に評価する」と言うと、たくさんの優秀な棋譜からたくさんのパラメータのなるべく正確な値を最急降下法か何かで調整して、それによって局面を評価するのだと思うかも知れない。 大筋は、間…

将棋方程式を発見した!(3)

前回までで思考するための道具が揃ってきたので、「何故、人間は矢倉囲いに囲えるのか?」という当初の問題について、もう少し突っ込んで考察して行かなければならない。 右図は、今月号の将棋世界に載っている羽生-谷川戦の局面。見ての通り、角換り腰掛け…

将棋方程式を発見した!(0)

将棋方程式を発見した!(3)を書く前に、ひとつ、お断りしておくことがある。 コンピュータ将棋の評価関数に正解は無いと言うことだ。 制作者がどのように将棋をとらえ、どのように評価関数を作成しても自由である。 しかし、なるべく正確に将棋というゲーム…